ツバメは、春になると日本へやって来る渡り鳥で、遠い南の国から、エサが豊富な土地を目指して、何千キロメートルもの距離を飛んで渡ってくるのです。
そのため、ツバメは冬を越すスズメなどの同じくらいの大きさの野鳥と比べて、脂肪を蓄える米や麦のような穀物系のエサではなく、筋肉を形成するようなタンパク質系の昆虫を捕獲して食べます。
今回は、そんなツバメの子育てや、エサの捕り方についてご紹介したいと思います。
ツバメの子育ての習性
ツバメは、日本に渡ってきてしばらくすると、気に入った相手とつがいになります。
そして、協力して泥や枯れ草などを集め、唾液と合わせて、巣作りをします。
巣が完成すると、やがて毎朝1個づつ、5〜6個の卵を産みます。
そして、約2週間夫婦協力して、交代で卵を温めるのです。
ツバメの夫婦は、どちらかが亡くならないかぎり、ずっと同じつがいで毎年子育てを行いますが、何らかの理由で片方がいなくなってしまうと、現実的に子育てに無理が生じ、結果的に育児放棄に陥る場合もあります。
また、別のツバメが来て、卵を巣から落としてしまったりすることも確認されています。
しかし、無事つがいでいられるツバメの卵がかえり、かわいいヒナが生まれると、夫婦はエサやりに大忙しになります。
エサは生まれたヒナの数にもよりますが、1日に100回とも300回とも言われるほど、せっせと運びます。
お腹の空いているヒナほど、大きな声でエサをねだりますので、ツバメの親は、最終的に均等にヒナに必要量のエサを与えられるしくみとなります。
エサやりと並行して、巣の中を清潔に保つため、ヒナのしたフンを外に運ぶお掃除も欠かしません。
ヒナが大きくなってきて、自分でお尻を巣の外に出してフンが出来るようになるまでは、巣の中でカビやダニなどが発生することのないように清潔に保つのです。
エサの捕り方
ツバメは、常に空中で生活するのに適した鳥で、エサを捕る時も、飛んでいる虫を空中で捕まえます。
水を飲む時も同じように、水面を飛びながら水を飲むのです。
ツバメの親は、ヒナが小さいうちは、ハエやアブといった小さめの虫を、そしてヒナが大きくなってくると、トンボや蛾といった大きめの虫を捕らえて、ヒナのもとへ運びます。
そのため、エサやりの回数はヒナの小さいときから、大きくなるまで変わらないといわれています。
こうして孵化から約3週間くらいすると、ツバメのヒナは巣立ちし、巣立ち後飛ぶ練習を経て、親鳥と同じようにエサの捕り方を教わり、立派な若鳥となるのです。
まとめ
ツバメの寿命は、10年とも言われます。しかし、一人前に成長するまでに、天敵に襲われることも多く、なかなか生存も難しいようで、運良く成鳥になり、長生き出来たなら、夫婦そろって、次の年も、またその次の年も…最初につくった場所に巣を構えるそうです。
どうやってその巣の場所を覚えているのかは、まだわかってはいませんが、本当に賢い鳥なんですね。
こんなに苦労して子育てをするツバメが、無事ヒナが一人前の若鳥になるまでお世話できるよう、もし家に巣が作られた時は、あたたかく見守ってあげたいものですね。
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