ツバメは、3月の終わりごろから、4月の初め頃にかけてやって来る渡り鳥です。
遠い南国で冬を過ごして、何千キロメートルもの旅をして、日本に戻ってきます。
ツバメのつがいは、いったんつがいになると、相手が亡くならない限り、毎年同じつがいで子育てをし、同じ巣に戻ってくるといわれています。
なぜ、同じ巣の場所を覚えているのかは、まだわかってはいないそうですが、賢くて驚いてしまいます。
今回は、そんな賢くラブラブのツバメのカップルの子育て時期の様子を、ご紹介します!
ツバメの子育て準備
ツバメは、日本へ渡ってくるとまもなく、巣作りの場所を求めて、下見に大忙しで町中を飛び回ります。
ツバメの婚活も、ちょうどこの時期に行われていて、気に入った相手が見つかると、つがいになり、巣作りから子育てまで、仲良く協力して行うのです。
ツバメは、下見をして決めた、天敵に狙われにくい安全な場所に、巣を作ります。
この時、以前に巣が作られたことのある場所が選択されることは、非常に多く、ベテランのツバメのつがいなら、昨年の巣を修理して再利用するのです。
巣の材料は、泥や枯れ草、植物の繊維など、唾液と混ぜてこねたものをたまにして、見事に積み上げていき、おわん型の巣を作り上げます。
巣の場所は決まって、人通りのある場所。天敵に狙われにくいことを、本能で知っているんですね。
巣は、だいたい10日以内に出来上がります。
ツバメの子育て
巣が出来上がると、オスとメスは共寝をし、やがてメスは朝早く毎日1つずつ卵を産んでいきます。卵の数は、5〜6個ぐらいです。
全部産み終わると、卵を温め始めます。これを抱卵といいますが、期間はおよそ2週間です。
この抱卵も、メスばかりでなく、オスも交代します。すごい!イクメンですね!
だいたい2週間が過ぎると、ヒナが次々と孵化しますが、生まれたてのヒナは、毛がまだなく体温を保てないので、親ツバメが引き続き温め続けます。
ヒナが生まれると、親ツバメは一層大忙しになります。
まずは、孵化した卵の殻を巣の外に捨てて、大掃除。ヒナがしたフンも、きちんと巣の外に出して、巣の中はいつも清潔に保ちます。
そして、餌の確保。これが大変!
親ツバメは、1日に10時間以上も餌捕りに飛び回り続け、100回〜300回とヒナに餌を運び与えるのです。
ヒナの餌は、全て空中で捕らえた昆虫で、ヒナが小さいうちは、ハエやアブといった小さな昆虫を、ヒナが大きくなってくると、トンボや蛾、カワゲラといった大きめの昆虫を与えます。
また親ツバメは、ヒナに餌を与える順番は、覚えていませんが、一番よくねだるヒナに餌を与え、公平に餌が行き渡るように与えています。
お腹が空いているヒナほどよくねだるからです。
こうして、ヒナが一人前の若鳥になる日を夢見て、懸命にお世話し続けるのです。
ツバメの子の巣立ち
ツバメのヒナは、孵化しておよそ22日くらいたつと、巣立ちをします。
まず好奇心旺盛な1羽が、巣から飛び出し、巣の近くの足場の良い所めがけて飛び移ります。
そして、少し様子を見てから、さらに先へと飛び移ります。
この様子を見た他のヒナ達も、じっとしていられません!
次々と巣を飛び出して後に続きます。
そんな我が子たちを、親ツバメは激しく鳴きながら、導いていきます。
巣立った後も、しばらくはヒナたちはかたまって行動し、親ツバメに餌をねだります。
やがて、巣立ち後10日くらいたつと、ヒナだったツバメたちも、立派な若鳥となり、一人で餌を捕らえることも出来るようになるのです。
まとめ
こういった子育てを、ツバメのつがいは、すべて協力して行います。
ツバメの半数以上が、ワンシーズンに2回子育てを行います。1回目の時より、産む卵の数は3〜4個と少なめですが、1回目の子ツバメ(1番子)が巣立ってから、約1週間後には、また2番目の子(二番子)の子育て準備に入ると言いますから、親ツバメはほんとうに大忙しです!
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